シキ160形式は130トン積吊掛式大物車として、1955年日本車両東京支店で富士電機製造株式会社向に製作されました。大型変圧器の輸送用で、落成時は鶴見線安善駅に常備されましたが、工場の移転に伴い1963年以降は京葉臨海鉄道京葉市原駅常備となり、全国各地への輸送に活躍した後、2002年末に廃車されました。廃車後も株式会社日本AEパワーシステムズの工場構内で保管されてきましたが、今般同社のご好意により、貨物鉄道博物館への収蔵が実現いたしました。
同車は車体を二分割し、中間に変圧器を組み付けて輸送する吊掛式輸送に専用する貨車で、鉄道貨物輸送の一分野である特大貨物輸送を象徴する貨車です。現存する吊掛式大物車では国内最古であり、世界的に見ても大物車の博物館での保存例は極めて少ないことを考え合わせれば、産業遺産保存の面からも貴重な事例といえましょう。
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